わたしが以前いた予備校で、生徒から「合格ノルマがあるんでしょ?オレ、協力するから」といってくれる心やさしい(?)生徒が何人かいました。実際のところはどうなのでしょうか?
自分がいた予備校のことしかわかりませんが、特定大学へ目標人数を合格させないと査定に響く「合格ノルマ」というものは、ありませんでした。もし、これが存在した場合、受験生に及ぼす影響はないのでしょうか?答えは、「大いにあり」です。
例えば、大阪大学に10人合格を出さなければならないとなると、本来なら東大を目指している受験生に「君は今の成績では東大は無理。もう一浪する覚悟ならまだしも、そんなゆとりはないだろう?だから合格が確実な阪大にしなさい」とかいって、不安を煽って受験させてしまうことだってあり得るのです。
実際合格したとしても、受験生本人にしてみれば「あのまま、東大を受けていれば合格したかもしれない」と思わせてしまい、一生後悔させることになりかねません。また、阪大を不合格になったとしても「同じ不合格なら当初の自分の希望通り、東大を受けておけばよかった」とやはり後悔させることになります。結果がどうあれ本人の納得する大学を受けてもらう方が、自分のなかで志望校に対する「けじめ」をつけることができるのです。
もちろん、チューターはあまりにも無謀な受験希望に対しては、「ほかにこんな選択肢もあるよ」と他の大学の選択肢を提示することはありますが、無理強いをすることは決してありませんでした。そんなことをしても、その受験生のためにはならないからです。予備校本位あるいはチューター本位の進学指導はあってはならないと思います。
本人の人生の重要な選択を無理に方向付けするよりは、今の志望校を受験したときのリスクと他の選択肢(大学)を受験したときのメリットを示してやり、あとは、本人とその保護者に判断を委ねるのが最良の方法だと思います。これは、決して責任逃れで言っているのではありません。進学するのは、あくまでも受験生本人であり、チューターではないのです。
もちろん、チューターはなんでもかんでも受験生の言いなりになってはいけません。志望校以外に客観的に妥当だと思われる選択肢を受験生に提示することや、万一の事態に対しても最良の方法を示してあげることに責任を負うべきだと考えます。
いろいろ意見はあると思いますが、もし、チューターに「合格ノルマ」を課しているウワサがある予備校を選ぶならば、ノルマの対象となっているであろう大学や学部(大抵は地元の国公立大や医学部)に入学したい場合は、予備校との利害が一致するのでまだよいのですが、そうでない旧帝大以外の地方の国公立大(医学部以外)を志望している場合は、入学する前にちょっと立ち止まって考えたほうがいいと思います。といっても、外からノルマがあるかどうかなんてなかなか分からないのですが・・・。
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